賃貸オフィスと原状回復

賃貸オフィスを使用する場合、新築の賃貸オフィスビルならば自分たちがそのオフィスの最初の利用者ということに違いありませんが、実際にはほとんどの場合は以前に別の企業が使用していた場所を利用することになります。

もちろん、以前の企業がそのオフィスを退去する場合には、原状回復といって入居する前の状態に戻しているので、以前に使用されていたオフィスビルでも、前の利用企業の痕跡を発見することはほとんどありません。

ところが、これが「居抜き物件」と呼ばれる物件の場合は違います。

居抜き物件は、前のオフィス利用者が、利用していた設備や備品などがそのまま残されている物件ですから、新しいオフィスの利用者は、残された設備や備品をそのまま自由に使うことができます。

 

居抜き物件のメリット・デメリット

通常のオフィス移転や入居の場合には、賃貸契約を結んでから内装や設備の設置、インフラの引き込みなどを行うので、どうしても入居までに時間がかかってしまいますが、居抜き物件の場合はすでにあるものをそのまま使用することができるので非常に効率よく入居し仕事を開始することができるのです。

今よりも広いオフィスに移転したいけれど、予算がなぁ…という場合なども、通常の賃貸オフィスではなく、居抜き物件を狙うようにすれば、新規の設備投資費用を節約することができるので、その分広いオフィスを選択することができる場合も。

ただし注意しておきたいのは、居抜き物件はすでに内装やレイアウトなどが完成されてしまっている、という点です。

レイアウトが整っているという点は、居抜き物件の大きなメリットでもあるのですが、以前入居していた企業が自分とは全く異なる業態の企業である場合、レイアウトが違いすぎて使いづらいという結果を及ぼすことがあります。

また、店舗の居抜き物件を利用する場合などは、以前の店舗のイメージが色濃く残ってしまっている場合も珍しくありません。
その場合、一般のお客さんには店舗が変わったことに気づいてもらえないということも考えられます。